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ジャガー買収正式発表

正直なところ個人的には興味が失せてきたのですが、当blogで度々取り上げてきた経緯もありますので、とりあえずフォローします。(面倒なので細かいリンクは張りませんが。)

先週、インドの財閥系自動車メーカー、タタ・モーターズ絡みで大きなニュースが2つほど入ってきましたね。一つはかねてから交渉が進んでいたイギリスのプレミアムブランド「ジャガー」および「ランドローバー」の買収が23億ドルで合意に至り、その旨が正式発表されました。もう一つは資金提供に日本のみずほコーポレート銀行と三菱東京UFJ銀行も加わり、最大8億ドルほどの融資を決定したというものです。

元々、フォードは1989年にジャガーを25億ドルで買収し、2000年にランドローバーを27.5億ドルで買収しましたから、これらを23億ドルで売却するということは、それだけで30億ドル近い損をしたことになります。

殊にジャガーブランドは2000~2004年の5年間、それまでフォードのセミワークス的存在のF1チームだったスチュワート・グランプリを買収し、ジャガー・レーシングとして活動するなど、そのブランド価値を高める投資も盛んに行われてきました。それだけに実質的な損失はもっと大きいと考えたほうが良いかも知れません。

余談になりますが、いまやイギリスのブランドはことごとく外資に渡ってしまいましたね。ロールスロイスとミニはBMW、ベントレーはフォルクスワーゲン、ローバーとMGは中国の南京汽車、ロータスはマレーシアのプロトン、ドラマ『西部警察』の人身事故で有名になったTVRはロシアの富豪ニコライ・スモレンスキー、といった具合です。

アストンマーティンはWRCでスバルワークスの車体開発とチーム運営を担っているイギリスのレーシングコンストラクター、プロドライブも参画している合資会社が株式の大半を保有しています(フォードも8.4%程残しているようですが)。もっとも、この合資会社も中心的な存在はクェートのファンドですから、中東のオイルダラーに支えられているのが実態といったところでしょう。

イギリスにはモーガンのようにバックヤードビルダーに毛の生えたような零細メーカーがまだいくつか残っていますが、この有様はちょっと寂しい感じです。

それにしても、毎日新聞の記事は酷いものでした。

印タタ・モーターズ:ジャガー買収 新興国、再編けん引 低価格、武器に

(前略)

 フォードは89年にジャガー、00年にローバーを買収、ビッグスリー主導の業界再編の典型だった。だが、ガソリン価格高騰などで販売不振に陥り、リストラの一環として有力ブランドを手放す事態に追い込まれた。ジャガーは英王室も購入している高級ブランドで、タタはローバーとともに買収することで、米欧市場への参入のテコにする狙いとみられる。

(後略)

(C)毎日新聞 2008年 3月27日


ローバーとランドローバーを一緒くたにするような知識の薄すぎる記者にこういう記事を書かせてはいけませんねぇ。

ローバーは一時BMWに買収されていました。が、BMWはミニを手許に残し、前述の通り2000年にランドローバーをフォードへ売却、MGを含むローバー本体はフェニックス・コンソーシアムへわずか10ポンドで売却しました。南京汽車はフェニックス・コンソーシアムからそれを買収したわけですね。

原油高の影響で燃費の悪いSUVやピックアップ、大型乗用車が敬遠される傾向にあるのは事実ですから、フォードの経営不振もこれが要因の一つとするのは間違とまではいえないでしょう。が、その一方でトヨタやホンダ、日産など日本のメーカーも新型のそれらを盛んに北米市場へ投入し、それなりの成果を上げています。

そもそも、原油価格が1バレル50ドルに満たなかった(現在の半額くらいだった)3年前も既にフォードの経営状態はかなり悪化していました。主力SUVのエクスプローラーで起こったタイヤバースト問題では多額の損失を計上することになりましたし、この問題でファイアストンと訴訟合戦に発展したことも彼らが体力を消耗することになった要因の一つと見て良いでしょう。

ジャガー・レーシングをレッドブルに売却してF1から撤退したのもその余波になると思いますが、これらの他にもフォードは様々な問題を抱えていたでしょう。彼らの経営不振を一概に「ガソリン価格高騰など」と括ってしまうのは少々短絡的かと思います。

いずれにしても、プロの、しかも日本の5大紙の新聞記者がこんなヘナチョコな記事を書いて、編集段階でもチェックできずに世に出てしまうというのは情けない限りです。自動車評論家の徳大寺有恒氏も常々「日本のプレスは自動車オンチ」というようなことをこぼしていましたが、本当にその通りですね。

話を戻しましょうか。細かいところでは、先週もう一つタタ絡みのニュースがありました。タタはインド国内でフィアットとの合弁になるフィアット・インディア・オートモービルズを運営していますが、ランジャンガオン工場の生産能力拡大へ動き始めました。3月24日付のロイター伝ではこれに向けて「西部マハラシュトラ州との暫定的な覚書に調印すると発表した」と報じています。

フィアットはこうした基盤からインド市場へ今後1年間で4車種を投入する計画ですが、今般タタがジャガーとランドローバーの買収を決定したことから、これらのブランド(特にジャガーのほう)に非常に強い興味を示しているようです。フィアットはあのフェラーリも傘下に納めてきた実績があるくらいですから、下手に素人が手を出より彼らに舵取りを任せたほうが上手くその価値を引き出せるかも知れません。

え? フェラーリはフィアット傘下に入った直後からフェラーリらしさを失っていったじゃないかって? ま、そうとも言えますが、既にジャガーはフォード傘下でかつてのジャガーらしさを失ってますからねぇ。

1980年代くらいから続いていた経営不振のフェラーリを立て直し、低迷を続けていたF1でも復興を遂げた立役者であるルカ・ディ・モンテゼーモロが現在のフィアットの会長ですから、悪いようにはしないと思うんですけどね。(あくまでも個人的な憶測に過ぎませんが。)

テーマ:自動車全般 - ジャンル:車・バイク

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